ネブライザー(吸入器)の目的


気道(口腔、鼻腔、咽頭、喉頭

気管、気管支、気管支枝、肺胞

など)に湿気を与える。

 

主に気管、気管支、気管支枝、

肺胞に薬液を与える。

 

上記の結果期待される効果

・痰を柔らかくする

・気道を滑らかにする

・気道の粘膜を保護する

・気道の壁に付着している痰を

  剥がれやすくする

・痰が出やすくなる

・呼吸を楽にする

・術後の肺合併症の予防

・病気の治療と予防

 

*喘息の患者さんによく利用されています。

 

 

ネブライザーの原理


液体を細かい粒子にして上気道

より吸入させます。

 

細かい粒子にする方法として、

ジェット式と超音波式があります。

 

コンプレッサーで圧縮した空気

で液体を霧状にするものをジェット式。

 

超音波振動子によって細かい

粒子にするものを超音波式。

 

 

ネブライザーの種類


●ジェット式吸入器

ジェット式の吸入器は、原理上

小型にはし難いため、持ち運びには不便。

*最近では小型のものも出てきています。

 

音が他の吸引器と比べると大き

いですが安価で使用できる薬液

の種類が多い為、医療機関など

では多く使用されています。

 

●超音波式吸入器

小型にも出来る為、携帯用のものが多い。

欠点として粒子が細かすぎる。

 

●メッシュ式の吸入器

従来の超音波式吸入器の欠点を改善した吸入器。

 

 

 

 

ネブライザーの方法


*ここではジェット式ネブライ

ザーについてまとめてみました

 

メーカーや種類によって違いは

ありますが、大まかな手順は以下の通りです。

 

①吸入器に指示された薬液などを注入する

医療機関では、ディスポ(ディ

スポーザブル、使い捨て)の 

注射器で正確に量を測ります。

薬液ごとに違う注射器を使用します。

 

②ネブライザーの本体に接続

 

③噴霧の量、風量、時間などを設定

噴霧の量が多いとむせたり咳を

誘発させたりする為注意します。

実際噴霧させて薬液の流出状態を確認します。

 

④マスクを装着

マウスピースの場合はくわえてもらいます。

 

⑤吸入

口は軽く開けて、口から呼吸をします。

 

⑥終了

薬液が無くなるか、噴霧の状態が消えたら終了。

又は時間がきたら終了。

 

⑦うがい

吸入が終わったら、うがいをします。

口腔内に残っている薬液を取り除くためです。

 

 

注 意 点


吸入する時は、腹式呼吸でゆっ

くりと深く呼吸をします。

 

吸入後は、口の中に残っている

薬液を取り除く為にうがいをします。

 

*口腔内に薬剤が残っている

と、体内に吸収される為。

又、口の中が不快な感じがする為です。

 

*痰を出やすくする為に使用

される薬液は、生理食塩水や

ビソルボン、アレベールなどがあります。

 

*喘息に使用される薬液には

上記の他にもステロイド剤や

抗コリン剤、β刺激剤、抗アレ

ルギー剤などがあります。

 

※喘息の治療として使用する

場合は、上記以外にも注意し

なければならないことがあります。

 

 

喘息の治療として吸入する場合


喘息発作などの治療として吸入

する場合は、充分な観察が必要です。

特に呼吸状態や顔色の変化には

気をつけます。

嘔気、嘔吐の有無、脈拍の観察も必要です。

 

吸入開始後、呼吸が苦しくなる

場合もあるため、吸入中は必ず

傍で見守る必要があります。

特に乳幼児の場合は、吸入中は

もちろんですが吸入後も、しば

らく観察する必要があります。

 

 

観察ポイント


●呼吸器症状

呼吸の回数、深さ、咳の回数や

種類、痰の性状など

 

●循環器症状

冷汗、口唇色の変化(チアノ

ーゼの有無)、気分不快、

脈拍の状態 など

 

●消化器症状

嘔気、嘔吐 など

    

●精神状態

不安感の有無 など

 

 

吸入薬(液)について


ここでは主に使用されている

痰の排出を助ける薬液をまとめてみました。

 

●アレベール

吸入液として広く使用されています。

他の薬の希釈や溶解剤です。

吸入効果を高める働きがあります。

 

●ビソルボン

気道からの分泌液を増加させます。

痰をうすめて粘りをとります。

気道粘膜の線毛運動をよくして、痰の排出を促します。

古くから使用されている薬です。

 

●生理食塩水

約0.9%の食塩水です。

他の薬の溶解や希釈として利用されます。

 

喘息等で使用される吸入薬は

ステロイド剤をはじめ、抗アレ

ルギー剤、β刺激剤、抗コリン

剤などがあります。

商品名では、ベネトリン、

アロテック、インタールなどがあります。

 

続きはこちらです→ 水分補給・うがい・加湿

 


痰を出しやすくする方法 項目一覧

痰を出しやすくする要因

 

タッピング(カッピング)

目的・方法・叩く部位

効果的な方法・注意すること

タッピングするタイミングは?

タッピングとカッピングの意味は? 

 

体位交換、体位ドレナージ

目的・体位変換の方法

体位ドレナージの方法

 

バイブレーション

 

ネブライザー(吸入器)の使用

目的・原理・種類

ネヴライザーの方法

ネブライザーの注意点

喘息の治療として吸入する場合

吸入薬

 

水分補給、うがい、加湿

 

スクイージング、ハフィング

目的・スクイージングの方法

ハフィングの方法

 

医療機器の使用による方法

 

効果的な痰などの排出方法

 


◇参考文献

書籍

「写真でわかる基礎看護技術①看護技術を基礎から理解!」インターメディカ 

「一歩先行く呼吸リハビリテーション」(メディカ出版)

「医学大辞典」

「家庭医学大百科」

「広辞苑」

 

インターネット

ウィキーペアHP内

https://ja.wikipedia.org/wiki/吸入器