体位交換、体位ドレナージの目的


●貯留した痰などを体外へ誘導する

体位を変えることにより物理的

に痰を出しやすくします。

痰などは重力の関係で下の方に

溜まりやすくなる為、体位を変

えて上にするだけでも、移動し

やすくなります。

下方に存在した痰等を上にして

さらに気道の上方に移動し易い

ように、頭部を肺より低くした

姿勢を維持することで体外への

排出が容易になります。

 

●疾患の治療

体位ドレナージは気管支拡張症

や肺化膿症など痰の多い疾患の

治療としても行われます。

 

 

体位交換の方法


自力で体位を変えることが出来

ない方には、1~2時間おきに

体位変換の介助をします。

 

仰臥位(仰向けに寝た状態)

→ 右側臥位(横向き)

→ 仰臥位→ 左側臥位

→ 仰臥位 

 

※体位を変えるだけでも痰が

出やすくなります。

 

 

 

 

体位ドレナージの方法


痰は低い方に溜まりますので

出やすくする為には痰のある

部位を高くして頭部を肺よりも低くします。

 

*痰の溜まっている部位に

より、体位は異なります。

 

●痰が肺の前方にある場合

仰向けの状態で両膝を立てます

腰部、臀部の下にクッション等

を入れ頭部よりも高くします。

ギャッジベッドを使用している

場合は、下半身側を高くします

顔を横に向けて体外へ排出します。

 

●痰が肺の片方にある場合

痰のある方を上にして腰部、

臀部にクッションなどを入れ

頭部を肺よりも低くします。

ギャッジベッドを使用している

場合は下半身側を高くします。

 

*側臥位(横に向いている

姿勢)の時は、枕を抱くと楽になります。

 

●痰が肺の後方(背中の方)にある場合

腹臥位(うつ伏せの姿勢)に

して胸部、腹部、腰部にクッシ

ョンなどを入れて頭部よりも肺

を高くします。又は、うつ伏せ

に近い状態で、横向きにします

 

●注意しなければならない事

病状によっては体位が制限され

る場合もありますので、担当医

に必ず許可を得てから実施して下さい。

 

続きはこちらです→ バイブレーション

 


痰を出しやすくする要因

 

タッピング(カッピング)

目的・方法・叩く部位

効果的な方法・注意すること

タッピングするタイミングは?

タッピングとカッピングの意味は? 

 

体位交換、体位ドレナージ

目的・体位変換の方法

体位ドレナージの方法

 

バイブレーション

 

ネブライザー(吸入器)の使用

目的・原理・種類

ネヴライザーの方法

ネブライザーの注意点

喘息の治療として吸入する場合

吸入薬

 

水分補給、うがい、加湿

 

スクイージング、ハフィング

目的・スクイージングの方法

ハフィングの方法

 

医療機器の使用による方法

 

効果的な痰などの排出方法

 


◇参考文献

書籍

「写真でわかる基礎看護技術①看護技術を基礎から理解!」インターメディカ 

「一歩先行く呼吸リハビリテーション」(メディカ出版)

「医学大辞典」

「家庭医学大百科」

「広辞苑」