通所介護等の報酬の見直し(2021年度)


感染症や災害の影響で利用者数が減少した場合に、状況に即

した安定的なサービスを提供できるように以下の項目が見直されました。

 

◆通所介護等の事業所規模別の報酬等に関する対応

・基本報酬への3%加算

・規模区分の特例

・大規模型(Ⅰ、Ⅱ)事業所の現下の新型コロナウィルス感染症の影響への対応

 

●基本報酬への3%加算

利用者一人当たりの経費の増加に対応する為の加算になります

延べ利用者数が減少した月の実績が前年度の平均延べ利用者数

から5%以上減少している場合は3か月間、基本報酬の3%が加算されます。

 

○対象サービス(通所介護の事業所規模別の報酬区分)

通所介護(通常規模型)

通所リハビリテーション(通常規模型)

地域密着型通所介護

認知症対応型通所介護(介護予防も含む)

通所介護(大規模型Ⅰ・大規模型Ⅱ)

通所リハビリテーション(大規模型Ⅰ・大規模型Ⅱ)

 

○適用となる時期

適用は利用者減の月の翌月に届け出て、利用者減の月の翌々月

から適用されます。

 

 

●規模区分の特例(事業所規模別の報酬区分の決定に係る特例)

減少した月の利用者の延べ人数がより小さい報酬区分と同等に

なった場合は減少月の翌々月からより小さい報酬区分が適用されます。

前年度の平均延べ人数ではなく感染症や災害の影響により、

延べ利用者数が減少した月の実績を基礎とすることができます

規模が小さいほど報酬単価は高くなります。

 

大規模型Ⅰは通常規模型へ、大規模型Ⅱは大規模型Ⅰ又は

通常規模型への算定が可能になります。

例えば大規模型Ⅰでは月延べ利用者数が751人以上900人以下

ですが、750人以下になった場合は通常規模型への算定が可能になります。

大規模型Ⅱでは月延べ利用者数が901人以上ですが、900人以下

又は750人以下になった場合は大規模型Ⅰ又は通常規模型への

算定が可能になります。

 

 

○対象サービス(通所介護の事業所規模別の報酬区分)

通所介護(大規模型Ⅰ・大規模型Ⅱ)

通所リハビリテーション(大規模型Ⅰ・大規模型Ⅱ)

 

*3%加算及び規模区分の特例のいずれにも該当する場合は、

規模区分の特例を適用

 

○適用となる時期

適用は利用者減の月の翌月に届け出て、利用者減の月の翌々月

から適用されます。

 

 

●大規模型(Ⅰ、Ⅱ)事業所の現下の新型コロナウィルス

感染症の影響への対応

現下(令和3年2月又は3月)の新型コロナウィルス感染症の

影響により5%以上減少した場合は年度当初(4月から)から

即時的な対応として3%の加算の算定のみ実施されます。

規模区分の特例の適用は実施されません。

2月又は3月は算定基礎から5%以上減少しているかの判定のみ

になります。

利用者数が減少しているかどうかを判定する場合の算定基礎は

前年度の一月当たりの平均利用延人員数又は令和2年の2月又は

3月の利用延人員数のいずれかを基礎とすることが出来ます。

4月1日又は4月15日までに届け出れば4月又は5月より3%加算

の算定が開始されます。

 

4月又は5月より3%加算の算定を開始した場合に算定期間中

(4月又は5月)に利用者の延べ人数がより小さい報酬区分と同等

になった場合は規模区分の特例適用の届出を行うことができます。

例えば5月に届出をすれば6月から適用され、3%加算は5月で終了

になります。

 

★新型コロナウィルス感染症の対応は状況により変動する可能性

もありますので詳細は厚生労働省等のホームページにてご確認ください。

 

*参考リンク例

厚生労働省サイト内

介護保険最新情報掲載ページ

介護保険制度の概要

介護事業所等における新型コロナウイルス感染症への対応等について

障害福祉サービス等事業所における新型コロナウイルス感染症への対応等

 

WAM NET(独立行政法人福祉医療機構)サイト内

介護保険最新情報

 


通所介護の事業所規模別の報酬区分

通所介護の基本報酬は事業所の規模により区分されています。

地域密着型、通常規模型、大規模型Ⅰ、大規模型Ⅱの4つに

区分されています。

地域密着型は利用定員が18人以下で他は19人以上になります

前年度の平均月延べ利用者数が通常規模型では月301人以上

750人以下、大規模型Ⅰでは751人以上900人以下、

大規模型Ⅱでは901人以上になります。

規模が大きいほど報酬単価は低く設定されています。

通常規模型と比較して地域密着型は約12%高く、大規模型Ⅰ

では約2%低く、大規模型Ⅱでは約4%低く設定されています。

 

利用延人員数とは?

サービスを利用した人の総数。

同じ利用者も含まれた数になります。

例えば、違う10人の利用者が月にそれぞれ3回サービスを

利用した場合は、実人数は10人ですが利用延人員数は30人

になります。

同じ人が3回サービスを利用したら延べ人数は3人になります。

利用者の定員数が20人であれば、20人の利用者が利用した

サービスの回数によってその月の延べ人数が算出されます。

 

算定基礎

利用者数が減少しているかどうかを判定する場合の基本となる人数。

前年度の一月当たりの平均利用延人員数のこと。

令和3年の2月又は3月の減少分に対しては、令和2年の2月又は

3月の利用者数を基礎とすることも出来ます。

 

介護報酬について

介護報酬とは介護サービスを提供した事業者に支払う費用になります。

介護報酬の基本的算定は単位数に単価をかけた数値になります

単位数はサービスの種類や提供時間等によって異なります。

基準となる単価は1単位10円になります。

 

介護報酬の単価

介護報酬単価はサービス別、地域別に設定されています。

事業所が所在する地域等も考慮して報酬単価が設定されて

います。(介護保険法第41条第4項等)

介護サービスを提供する従業者の賃金は地域によって差があります。

地域差を介護報酬に反映する為に単位制を採用しています。

基準となる単価は1単位10円になります。

10円を基準に介護サービスの種類と地域別により加算されます

介護サービスの種類別では人件費割合で3つに区分されています。

地域別では8つに区分されています。

地域別とサービス別の両方で単価かが決まります。

サービスや地域により1単位10円~11.40円に設定されています。


◇参考・引用文献

インターネット

*厚生労働省サイト内

 

令和3年度介護報酬改定における改定事項について p6

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000768899.pdf

 

通所介護等において感染症又は災害の発生を理由とする~

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000755019.pdf

 

新型コロナウイルス感染症に係る通所介護・短期入所生活介護における報酬上の取扱い

https://www.mhlw.go.jp/content/000635974.pdf

 

新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000045312/matome.html

 

令和3年度介護報酬改定に関する審議報告 p7

https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000709008.pdf

 

通所介護等において感染症又は災害の~ p2 p3 p4

https://www.mhlw.go.jp/content/000763789.pdf

 

令和3年度介護報酬改定の主な事項について p2 p4

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000727135.pdf

 

地域区分について p3

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000566688.pdf

 

介護報酬の仕組みについて 平成18年10月5日

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/10/dl/s1005-4f.pdf

 

介護給付費等単位数サービスコード(令和3年4月施行版)

https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000763582.pdf

 

報酬算定構造・サービスコード表等

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000174644_00016.html

 

通所介護の報酬・基準について 第150回(H29.11.8) p15 p16

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000184009.pdf

 

介護事業所等における新型コロナウイルス感染症への対応等について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00089.html