人工呼吸器のアラーム(トラブル)


医療機関と在宅で使用されている

人工呼吸器は異なります。

ここでは在宅で使用されている

人工呼吸器の基本的なしくみについて記載しています。

 

人工呼吸器の種類によりアラーム

トラブルの原因・対処などは多少異なります。

 

 

◆人工呼吸器でのアラームの意味

異常を知らせるのがアラームの

役割ですが設定された範囲外の

数値に達した場合や設定のミス

マッチ、呼吸器本体や呼吸回路

付属品、カニューレ、電源等に

何らかの異常が発生した場合に

アラームで知らせます。

 

 

◆人工呼吸器の設定に関するアラームの主な種類

●無呼吸アラーム

設定した一定時間に自発呼吸が無い時に知らせます。

 

●吸気圧下限アラーム

気道内圧下限、回路内圧下限、

低気道内圧など呼び方は色々です。

気道内圧が設定した下限圧まで

に達しない場合に知らせます。 

 

●吸気圧上限アラーム

気道内圧上限、回路内圧上限、高気道内圧など呼び方は色々です。

気道内圧が設定した上限圧に達した場合に知らせます。

 

●低換気アラーム(換気量下限)

低換気アラームには、低1回

換気量、低分時換気量などがあります。

設定した値より低い場合に知らせます。

 

●その他のトラブルに対する主なアラーム

電源アラーム、器械不良アラー

ム、供給ガスアラームなどがあります。

 

アラームで知らせる方法には、

音とランプがあります。

通常はアラーム音とランプ

(点滅又は点灯)の両方で知らせます。

ランプの点灯又は点滅の位置

でアラームの種類が確認できます。

 

上記以外にもアラームの種類はあります。

在宅で使用されている機種や

病態などによってアラームの

種類や設定する数値などは異なります。

医療機関用の人工呼吸器と在宅用の人工呼吸器の主な特徴

●在宅用の人工呼吸器の主な特徴

・家庭の電源やバッテリーで駆動できる

(圧縮空気や圧縮酸素を必要としない)

・構造がシンプルで操作が簡単

・コンパクトで持ち運びが可能

・バッテリーが内蔵されている

など

上記の様な呼吸器で高い機能を

持っている場合は医療機関でも

中央配管のない場所で使用出来ます。

 

在宅で人工呼吸器を装着して

いる方は主に人工呼吸器の離脱

が困難な方が使用しています。

その為、対象者に合った人工

呼吸器を選択すれば離脱に必要

な複雑な設定は不要になります。

 

●医療機関用の人工呼吸器の主な特徴

・圧縮空気や圧縮酸素を必要とする

・様々な機能が備わっている

・人工呼吸器からの離脱を目指している

・大型の機器が多い

など

続きはこちらです→ 各アラームの主な原因

 




人工呼吸器装着時の介護 項目一覧


◇参考文献 

書籍

「介護職員等のための医療的ケア 喀痰吸引・経管栄養等の研修テキスト」

 公益財団法人日本訪問看護財団(編)p71

「人工呼吸ケアのすべてがわかる本」照林社 p97~p98 p239~p240 p364~p366

「ナース必携最新基本手技AtoZ」小学館 p74

「器械的人工呼吸マニュアル」ナース専科 文化放送ブレーン p16~p17

「気管吸引のガイドライン完全準拠わかる!できる!気管吸引あんしん教育ガイド」

 MCメディカ出版 p76~p78

「はじめて人工呼吸器」メディカ出版 p57~p61 

「実践できる在宅看護 技術ガイド」学研 p130~p132

 

インターネット

医薬品医療機器情報提供ホームページ

人工呼吸の安全セミナーテキスト p6

http://www.pmda.go.jp/files/000144877.pdf#page=2