◆改定事項
① 寝たきり予防・重度化防止のためのマネジメントの推進
② 褥瘡マネジメント加算等の見直し
③ 排せつ支援加算の見直し
◆目的
利用者の尊厳の保持、自立支援・重度化防止の推進、廃用や
寝たきりの防止等の為。
◆対象サービス
介護老人福祉施設
地域密着型介護老人福祉施設
介護老人保健施設
介護医療院
◆改定内容
●自立支援促進加算の創設
〇自立支援促進加算 300単位/月(新設)
リハビリテーション・機能訓練、介護等の取組を推進する為に創設。
介護支援専門員やその他の介護職員が適切なケアを実施する為
の計画を策定し日々のケア等を行う取り組みを新たに評価する
加算項目が創設されました。
●算定要件等
・入所時に医師が入所者ごとに自立支援のために特に必要な
医学的評価を行う
・少なくとも6月に1回、医学的評価の見直しを行う
・上記の医学的評価の結果、特に自立支援の為の対応が必要な
利用者ごとに医師、看護師、介護職員、介護支援専門委員、
その他の職種の人が共同して支援計画を策定し計画に従った
ケアを実施する
・少なくとも3月に1回、入所者ごとに支援計画を見直す
・医学的評価の結果等を厚生労働省に提出し、必要な情報を
活用する(CHASEへのデータ提出とフィードバックの活用)
▽取組の流れ
①定期的なアセスメントの実施
医学的アセスメントを所定の様式に準じて実施する。
②ケアプランの策定・ケアの内容等に係る会議の実施
上記のアセスメントを踏まえたリハビリテーション・機能訓練
日々の過ごし方等について、所定の様式に準じて計画を策定する。
③計画に従ったケアの実施
④CHASEを活用したPDCAサイクルの推進
厚生労働省(CHASE)にデータを提出しフィードバックを受ける。
▽所定の様式の具体的な内容
*医学的アセスメント
*リハビリテーション・機能訓練の必要性
*日々の過ごし方
(離床時間、座位保持時間、食事・排せつ・入浴の場所や方法
社会参加的活動等)
◆目的
介護の質の向上に係る取り組みをさらに推進する為。
◆対象サービス
介護老人福祉施設
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
介護老人保健施設
介護医療院
看護小規模多機能型居宅介護
介護医療院は褥瘡対策指導管理になります。
他は褥瘡マネジメント加算になります。
◆改定内容
●褥瘡マネジメント加算の算定を毎月可能とする
継続的な取り組みを評価する観点から褥瘡マネジメント加算の
算定が毎月出来るようになりました。
改定前は3月に1回の算定が限度
●褥瘡マネジメント加算の対象に看護小規模多機能型居宅介護を追加
●褥瘡の発生予防や状態改善等についての新たな評価区分の設置
〇褥瘡マネジメント加算の場合
褥瘡マネジメント加算(Ⅰ) 3単位/月 (新設)
褥瘡マネジメント加算(Ⅱ) 13単位/月 (新設)
改定前は褥瘡マネジメント加算のみで、3月に1回の算定でした。
*加算(Ⅰ)(Ⅱ)は併算不可
〇褥瘡対策指導管理の場合(介護医療院)
褥瘡対策指導管理(Ⅱ)10単位/月(新設)
改定前は褥瘡対策指導管理6単位/日のみでしたが今回の改定で
褥瘡対策指導管理(Ⅰ)に変更されました。
単位数は同じです。
*(Ⅰ)(Ⅱ)は併算可
●算定要件等
〇褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)の算定要件等
・利用者ごとに褥瘡の発生と関連のあるリスクについて、
施設の入所時等に評価する
・少なくとも3月に1回の評価を実施し、利用者ごとに褥瘡
ケア計画を見直す
・評価の結果、褥瘡の発生リスクがある利用者ごとに褥瘡ケア
計画を作成する
・褥瘡ケア計画は医師、看護師、栄養管理士、介護職員、
介護支援専門員、その他の職種が共同で作成する
・褥瘡ケア計画に従い褥瘡管理を実施する
・実施に当たっては評価結果等を厚生労働省に提出しフィード
バックされた情報等を活用する
・管理の内容や利用者ごとの状態について定期的に記録する
・褥瘡管理の実施時には上記の情報等を活用する
〇褥瘡マネジメント加算(Ⅱ)の算定要件等
・加算(Ⅰ)の算定要件を満たしている
・発生するリスクがあるとされた利用者に褥瘡の発生がない事
〇褥瘡対策指導管理( Ⅱ )の算定要件等
褥瘡マネジメント加算(Ⅱ)と同じ
褥瘡マネジメント加算について
平成30年度に創設されました。
介護老人福祉施設、介護老人保健施設等において褥瘡発生を
予防する為に、褥瘡マネジメント加算 10単位/月が創設されました。
褥瘡の発生と関連の強い項目について定期的な評価を実施し
その結果に基づき計画的に管理する事への評価になります。
褥瘡の発生と関連の強い項目
褥瘡対策に関するスクリーニング・ケア計画書の項目
危険因子の評価項目
*ADLの状況(自分で行っている・いない)
入浴、食事摂取、更衣
*基本動作(自分で実施している・していない)
寝返り、座位の保持、座位での乗り移り、立位の保持
*排泄の状況(なし・あり)
尿失禁、便失禁、バルンカテーテルの使用
上記の評価として、自分で行って「いない」又は「あり」
が1つ以上該当する場合は、褥瘡ケア計画作成の対象になります。
◆目的
排泄状態の改善が期待できる入所者等を、もれなく支援していく為。
◆対象サービス
介護老人福祉施設
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
介護老人保健施設
介護医療院
看護小規模多機能型居宅介護
◆改定内容
●事業所全体の取組としての新たな評価
〇排せつ支援加算(Ⅰ)10単位/月 (新設)
全ての利用者に対して定期的な排せつ支援の取組(プロセス)
への評価を実施し事業所全体の取組として新たに評価する。
●排泄状態の改善についての新たな評価を設ける
〇排せつ支援加算(Ⅱ)15単位/月 (新設)
〇排せつ支援加算(Ⅲ)20単位/月 (新設)
●排せつ支援加算の対象に看護小規模多機能型居宅介護を追加
●算定要件等
〇排せつ支援加算(Ⅰ)の算定要件等
・排泄に介護を要する利用者ごとに要介護状態の軽減見込み
について施設入所時等に評価する(医師又は医師と連携した
看護師が評価)
・少なくとも6月に1回は評価を実施
・評価結果等を厚生労働省に提出し、それらの情報等を活用
して排泄支援を行う(CHASEを活用したPDCAサイクルの推進)
・要介護状態の軽減が見込まれる利用者について排泄に介護を
要する原因を分析
・分析に基づいて支援計画を作成し、支援を実施
・少なくとも、3月に1回は利用者ごとに支援計画を見直す
〇排せつ支援加算(Ⅱ)の算定要件等
・排せつ支援加算(Ⅰ)の算定要件を満たしていること
・入所時等と比較して排尿、排便の状態が少なくとも、
どちらか一方が改善しているとともに排尿、排便の状態が
いずれも悪化していないこと
・又は、おむつ使用ありから、使用なしに改善していること
〇排せつ支援加算(Ⅲ)の算定要件等
・排せつ支援加算(Ⅰ)の算定要件を満たしていること
・入所時等と比較して排尿、排便の状態が少なくともどちらか
一方が改善しているとともに排尿、排便の状態がいずれも悪化
していないこと
・且つ、おむつ使用ありから、使用なしに改善していること
*(Ⅰ)~(Ⅲ)は併算不可
◇参考・引用文献
*厚生労働省サイト内
令和3年度介護報酬改定の主な事項について 第199回(R3.1.18)
p31-p32
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000727135.pdf
令和3年度介護報酬改定における改定事項について 第199回(R3.1.18)
p100~p105
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000768899.pdf
自立支援・重度化防止の推進第194回(R2.11.26)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000698871.pdf
自立支援・重度化防止の推進(検討の方向性)第191回(R2.11.5)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000691249.pdf
審議報告案にかかる参考資料 第196回(R2.12.9)
p117~p122
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000703105.pdf
令和3年度介護報酬改定に関する審議報告第 199 回(R3.1.18)
p33~p35
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000721066.pdf
審議報告案にかかる参考資料(令和2年12月9日)第196回(R2.12.9)
p69-p78
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000703105.pdf
*介護報酬の算定構造 介護サービス第199回(R3.1.18)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000728262.pdf
褥瘡対策指導管理について
https://www.mhlw.go.jp/content/12301000/000750742.pdf
科学的介護情報システム(LIFE)関連加算に関する基本的考え方並びに
事務処理手順及び様式例の提示について
*p8
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000755025.pdf
平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000500276.pdf
介護サービスの質の評価・自立支援に向けた事業者へのインセンティブについて
第153回(H29.11.29)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000186482.pdf
掲載日2021年12月22日